【トランプ政権】もはや長く続かないという意見続出

【ワシントン大前仁、三木幸治】トランプ米政権が発足してから３日で２週間。昨年の大統領選でスローガンとした「米国第一主義」を対外関係で実践し始めたことから、友好国との関係が揺らぐ一方、ロシアとの関係改善に意欲を示すなど、オバマ前政権の外交から離別したい構えだ。だが、現時点では独自の政策立案まで手は回っていない。

「相手がタフだから、タフに応じなければならない」。トランプ氏は２日に出席した朝食会で、米メディアで報じられたオーストラリアのターンブル首相やメキシコのペニャニエト大統領との電話協議に言及し、同盟国や近隣諸国が相手でも自国の権益を最優先にすると強調した。

オーストラリアはベトナム戦争に派兵するなど、米国の重要な同盟国となってきた。しかし先月の電話協議の際、ターンブル氏がオバマ前政権と合意済みの難民移送を確認しようとしたところ、トランプ氏が不快感を伝えたという。

隣国メキシコとの関係悪化はより深刻だ。先月のペニャニエト氏との電話協議では、麻薬マフィアが暗躍するメキシコの状況に言及し「問題を解決するために米軍を送るかもしれない」と発言していたことも判明した。

オバマ外交を批判してきたトランプ氏は、前政権が対立していたロシアやイスラエルとの関係改善以外にも、２０１５年に結ばれたイランとの核合意を見直す可能性に言及してきた。

トランプ氏が特にこだわる対露関係を巡り、米財務省は２日、昨年末に自国企業に対してロシア連邦保安庁（ＦＳＢ）との取引禁止を命じた措置を一部解除すると発表した。ただし米企業がロシアにＩＴ製品を輸出する際にＦＳＢが許認可権を握っていることから、例外的に取引を認めた措置であるとして、「制裁緩和でない」（スパイサー大統領報道官）と説明する。

一方でヘイリー米国連大使は２日の国連安全保障理事会で、戦闘が激化しているウクライナ東部の情勢に言及し、「ロシアとの友好関係を望んでいるが、ウクライナ東部の悲惨な状況についてはロシアを厳しく非難しなければならない」と言明。ロシアが１４年に一方的に編入したクリミア半島をウクライナに戻さない限り、関連した制裁を継続する立場も明示した。

対イスラエル政策の難しさも浮き彫りになっている。トランプ氏は昨年１２月に国連安保理がイスラエルの入植地建設を批判する決議を採択した際、オバマ政権が拒否権を発動しなかったことを批判したが、スパイサー報道官は２日の声明で、新たな入植地の建設についてくぎを刺した。

イランが先月末に弾道ミサイル実験を強行したことから、トランプ政権は３日にも追加制裁を科す見通しだ。ただ多国間合意である核合意の破棄に着手する動きはみせていない。

米紙ニューヨーク・タイムズ（電子版）は「トランプ氏は前政権の外交政策の柱を受け入れている」と報道。国務省ではティラーソン長官が２日に初めて登庁したが、他の幹部の指名は進んでいない。そのため新政権は独自の政策立案まで手を回せていない模様だ。

参照元：ヤフーニュース

＜トランプ政権２週間＞対立生む外交　「米国第一」次々実践

参照先URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170203-00000115-mai-n_ame